藍染め集団「BUAISOU」との出会い
公開日:
:
ユウジ 記事
2016年10月20日、
引き寄せられた出会いの渦は先日、バスタ新宿4F乗車口D12にて21時45分頃に発生した。
いままさにその事象が起こった直後、尾道へ向かうバスの中で興奮状態でこの文を書いているため、目がギンギラいっている。この文章に嘘も偽りもない。なんなんだ最近。
10日間ほど群馬帰省が終わった。
以前改装した家を貸し出すための清掃、改装を終えた。
広島行きの夜行バスに乗るため、まずは電車に乗って群馬から新宿へ。
久しぶりの新宿の人混みを掻き分けながら歩きつつ、尾道との差を思う。
尾道は新宿みたいに人口密度もないし、人との出会いの絶対数も単純に少ない。
でもその出会い一つ一つにはお互いに何かしらの意味が確実にあり、その隠された意味を知るには出会いを「育む」必要があり、それには時間がかかるということを尾道で学んだ。
東京は人だらけだ。出会いだらけだ。
多すぎて、まず「出会う」という価値基準が高くなりすぎて、出会いを出会いとすら認識しなくなる。
例えばコンビニで水を買ったときにレジに立っている人と「話をしてもいい」という可能性、そこから「何かが生まれるかもしれない」可能性を誰も知覚していない。レジ側だってもちろんそうだ。
極論を言えば、別にレジが人じゃなくたっていいし、レジに立つ人も目的の最優先は「金」がほとんどだろうから、人と接触するという認識も喜びも、限りなく薄くなる。
それはぼくだってそうだ。あんなにたくさんの人が一気に横断歩道を渡ってたら、「こういう人とこういう人とこういう人が歩いている」とは思わない。「たくさんの人」で処理して終わる。
溢れる情報の全てを処理するのは(仮にそれが全て有益な情報であれ)不可能だ。
だったらその絶対数を減らし、自分の手で持てる範囲の一粒ずつを熟考したほうが結果的に早く、強い。
ぼくの情報処理能力は認めたくはなかったが凡人以下だ。タブが2つ以上になるとすぐフリーズする。
なのでとても東京には住めないし、今だってテレビだってろくに見れない。
とまあいつも通り脱線したがとにかく人多いなーうっとおしいなーと思いながらバスの時間まではなまるうどんでカレーうどん食べてたわけである。
バスタ新宿に着き広島行きの夜行バスを探す。(バスタ新宿とても便利!)
乗車口はD12。めちゃくちゃ遠いなちくしょうと、パンパンに詰め込んだバックパックを肩に食い込ませながら人混みをかきわけ、のっしのっしとD12を目指す。
20分前に乗車口に着いてバッグを降ろし、壁にもたれかかる。
疲れた。早くバス来い。
その時であった。
青いシャツを着たぼくと同い年くらいの3人の男が、ぼくの隣で止まり、荷物を降ろし、流れる人ごみをぼんやりと眺めている。
なんだこの人達、ペアルックか仲いいな。と視線を降ろすと、手の爪がみんな、青い。
手の甲もみんな青みがかってくすんでいる….
!!!!!!!!!
藍染めだ!!この人達藍染めやっとる!!
思考する間もなく話しかけていた。
「えっ!?藍染めやってんすか?」
「えっ!?あ、はいそうですけど」
当然の初対面にもかかわらずなぜか全く緊張もなく、楽しく話すことができた。
尾道で服をやっていると言うと向こうも興味を持ってくれたようで、尾道についていろいろ話した。
中でもやはり「尾道デニムプロジェクト」に興味があったようで、それの回収担当でしたと伝えるととても驚いていた。
ぼくは尾道の話をして、むこうは彼らの住むナントカという聞いたことのない町の事を話してくれた。
まあ同じバスだから岡山か広島のどこかなんだろうなと思っていた。
すると彼らは僕とは違うバスを待っていた。
行き先は「徳島方面」。
「あーなんだ、徳島なんですね。藍染めの本場でやってるんだすごい。」
「良いところですよー僕たちも移住者なんですけど。」
あれ。もしや。この人達。違うよな。
とこの時点で一瞬は思った。
藍染めで、徳島で有名な若手のグループがいることは知っていた。
そのグループに会いに徳島へ行き、何日間か藍染めの勉強をさせてもらおうと思っていた。
藍染め生地もそこから買って藍染め生地だけのブランドを作ろうと思っていた。
「……….あの。なんてゆう名前で活動されてます?」
「あ、一応『BUAISOU』って名前でやってます」
…………。
「えらいこっちゃ!!!これはえらいこっちゃ!!!!!!!」
なんとわざわざ徳島まで突撃で会いに行こうと思っていた人たちにバスタ新宿の溢れる人ごみの中で出会ってしまったのである。
ちょっと待て、なんだこれは。これはなんだ一体なにが起こってる。
「え!?知ってんすか僕たちのこと!?」
「そら知ってますわ会いに行こうと思ってましたわどないなっとんねん世の中」
聞けば10年前に同じクラスだった友人が一時期BUAISOUに加入(?)していたり、
3年前に尾道でお世話になった方と一緒に仕事をされている方がいたりと共通の知人も何人もでてきて、
もうこの世界はどうなっているのか、さっき食べたカレーうどんに幻覚作用のなんか入ってて今トリップ状態なんじゃねえかと心配になった。
ハッピーカレーうどん。ハッピーカレーうどんか!
もうこの後のテンパり具合はテンパっててよく覚えてもないので省略するが、とにかくもうこれはもう、流れ以外のなんでもないということは確かである。
先週なるちゃんが加入して、その次の日にアトリエが決まり、群馬もケリが(ほぼ)ついて、尾道に戻りついに服作りが始まるというこのタイミングである。
ぼくはもう新宿に行ったときは必ず甲州街道沿いのあの地下にあるはなまるうどんでハッピーカレーうどんを食べるということに決めた。
11月中にはなるちゃんあいかちゃん連れて3人で徳島に会いに行く約束をして、BUAISOUメンバーはバスに乗って徳島へ戻っていった。
もうほんと、今後どうなるのかちょうたのしみである。
来月「チームいで、BUAISOUに会いに行く」に続く。
BUAISOUの活動履歴はこちら
P.S まったくもって無愛想ではありませんでした。
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