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群馬人が尾道で空き家を見つけることはできるのか Vol.08

公開日: : ユウジ 記事

いやいやほんとうに

時間というものは不思議なもんですね。

 

ついさっき前回の記事を書いて、

寝て起きたらまた続きを書こうと思ってたのに。

もう一週間以上たったっぽいですね。

これがアインのおっさんが言ってた相対性理論ってやつなのでしょうか。

だったらしょうがないですよね。

 

という華麗なるスットボケで罪悪感をひらりとかわしつつ、

前回の続き。

 

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迷子になった末に話しかけたなにやらファンキーなノリのおばちゃんに連れられ、

着いた先は尾道水道に面したどでかい造船所。

ぽりぽりぽり、わけわからん。

とりあえずおばちゃんは二匹の犬にえらい勢いで引っ張られてどっかいった。

 

 

・・・・・

 

なにこれ。なにこの状況。

自転車を片手に支え、直立不動のままひたすらたたずむ。

 

たたずみ開始から10分経過。

 

物陰からものっすごいシックなスーツに身を包んだ男性とさっきのおばちゃんが現れる。

 

え、、、Yでしょこれ。絶対Yでしょ。

YAKUZAでしょこれ瀬戸内海しずめたろかってパターンでしょやめてと冷や汗が出てくるのも束の間。

 

「・・・・ここら一帯というのは、徳川ナンタラがナントカ時代にナンタラしてねえ。

その際にナンタラってのがナンタラして、このような土地になったのだよ。

そしてその後、ナンタラの軍勢が大量にナンタラカンタラで尾道のナンタラカンタラというものは」

 

とえらい勢いで歴史の授業が始まる。

あまりの展開の異様さに始めのうちはポカン顔を決め込んでいたが

この時点でなにやら面白そうな展開になる気がしてきたので

ぼくは自分を「群馬から尾道の歴史を学びにやって来た大学生だ」と思い込むことにし、

マジッスカア勉強なりますわーウヒャーたまりませんわーと歩調を合わす。

 

どのくらい歴史について話していたかはわからんが

書くのめんどくなってまいりましたので、

まあなんやかんやとありまして、

 

3957959970856

 

気づいたら敷地面積160坪の一軒家二階建ての空き家を紹介してもらい、

 

3957960021656

 

車で福山まで連れていってもらい大家さんから鍵を借り、

 

3957960053561

 

中まで見せてもらい、

また福山まで鍵を返しに行き、

 

「住みたきゃ住んでええよ。」という話になった。

 

家賃も目玉飛び出るくらい安くしてくれた。

 

なぜこのおじさんは見ず知らずのぼくにここまで親切にしてくれるのかと、

何度ありがとうございますと言ったかわからないが、

 

その度に

「いいんですよ。乗りかかった船ですから」

という返答になにか素通りできないものを感じてはいた。

 

そして鍵を借りに大家さんの元へ着いた際の対面のシーンで、

「あらーフクモトさんお久しぶり」

という発言によりこのおじさんはフクモトという名前な事が判明し、

もしやのや。とは思っていた。

 

向島でぴかぴかのスーツ

×

フクモトさん

×

「乗りかかった船」が口癖

=

 

3960552289067

 

この人もしや、

福本渡船の社長じゃね?

という疑惑がどうにもモヤモヤとしたので、

 

帰りに福本渡船の料金所のおっちゃんに聞いてみたところ

3960552420754

「はいそれ社長です。」 と即答された。

 

あのおっちゃん社長だった。

どおりで身なりも車もピカピカしてたわけだ。

すごい親切な方でしたよ。いやほんとに。

 

3957959938850

 

ちなみに三年前に向島でヒッチハイクしようと、

路肩で親指立てた瞬間に止まってくれたぴかぴかの車に乗ったおっちゃんは、

 

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こっちの尾道渡船の社長だった。

 

どうやら渡船会社の社長に縁がありすぎる。

残る一つの向島渡船の社長に会ったらもう尾道水道コンプリートだ。

尾道の社長スタンプラリー大会とかあったらぼく絶対優勝しちゃう気がする。

このままだと気がついたら自分が渡船会社に就職して気がついたら船とか操縦してそうで怖い。

 

とまあハデに話が脱線しましたけれども、

 

強力な物件情報が手に入り、

家賃も安かったし、一晩まるまる考えたが、

 

ぼくはこの尾道での自分の表現の拠点作りについて、

一切の妥協もしないと決めた。

完璧主義に依存しているわけではない。

ぼくは群馬の生活する上では苦にならない環境をまるまる捨てて、こっちに来た。

その判断は間違っていなかったと思っている。本当に尾道に来て良かった。

 

というのも、

こっちに来て10日ほどたったころ、

いつもどおり早朝のランニングをしていたときだった。

心は何日間も深く深く、沈みきっていた。

そんな鬱憤も一瞬で切り裂かれるほどの衝撃とともに、

ぼくが作るべき服の全貌が一瞬にして開いて見えた。

 

そのときに確信したわけである。

ぼくは、本来このために尾道に来たんだと。

 

ぼくは群馬で作りあげた、

損得で考えればまるで不自由のない環境を捨てた。

「そういうことではないんじゃないか?」という心の声を認めたからだ。

群馬で生きるという判断は(少なくとも今は)間違っていた。

空き家作ってもダメだった。それも認めて進んでここへ来た。

そして尾道で今、「服を作りたい」と純度100%で思っている。思えている。

この町と、ここに住む人々と、その人々の意識が放っている雰囲気に感謝している自分がいる。

 

そこまでして尾道へきて、

家賃が安いからとか、

そろそろ決めなきゃとか、

 

少しでも「良いところを見ようとして」判断してしまったら、

それは群馬でやったことを繰り返すだけだ。

だったら群馬に家あるんだから帰ればいい。

尾道がいかに表現する上で優れた環境であろうが、

環境に甘えたその瞬間、全部ひっくりかえって裏切られると思っている。

環境というのはそういうもんだ。

 

二月が終わったが、

一ヵ月後の自分がどうなっているかはわからない。

損得で考えず、

ここだと思える空間に妥協しないと決めたところで、

どうなるかはわからない。

その虚無の恐怖に襲われることもしょっちゅうだ。

 

だからやれることだけはやると決めた。

むしろそれ以外にできることなんてない。

行動意欲が出たその直後に「でも意味がない」と思っても、

シカトして行くと決めた。

その結果まるで意味がなかったこともしょっちゅうだ。

でもそういう日の夜は良く眠れる。

そういうことなのかもしれない。

ぼくはたぶん「良く死にたい」だけだ。

だとしたら「意味」という認識自体が無意味だ。

 

自分自身になにも期待しない。

ただ空間に身を投じ続ける発展性のないダメ人間だ。

それでいい。そう思われてりゃいい。

この無意味さだけが持つ意味を、わかる人はわかってくれる。

 

ぼくはぼく自身が完全にぼくになれる環境を構築することに妥協しないことにした。

そしてぼくはぼく自身が完全にぼくになれる服をそこで作る。

究極のエゴイズムに肩までどっぷり浸かれる環境が欲しい。

それでいて町に住む好きな人たちに会いたいと思ったら会いに行きたい。

オナニーだ自己中だ中二だなんだと、言いたきゃ勝手にぬかしてろボケって感じだ。

 

 

ぽりぽりぽり。

なんでこんなシリアスな感じになってんですかね。

ボケとか言ってるし。ごめんなさいね。

 

まあいいや。そんな感じです。(大爆笑)

 

もう日が暮れるけど、向島行って来ます。

今日こそ出て来いいい空き家!!!シャーー!!!!!!

 

 

 

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